チーム開発をしていくうえで、課題の1つになるのが情報共有です。チームの歴史が長いと経験値は溜まっていきますが、それらが情報として整理されていないとメンバー交代時などに大きなコストが発生します。
そこで、イントラ向けのナレッジベース(Wiki)を探していたところ、Growiという良さげなOSSを見つけたので、お試し環境を立ち上げてみることにしました。手元の環境はUbuntu18.04ですが、Linuxであれば大体同じような手順になると思います。
Dockerのインストール
今回はテスト環境なので、お手軽に環境を作ったり壊したりできるDockerを使います。こういうときにコンテナ技術のありがたみを感じます。
まずはDocker本体とDocker-Composeのインストールです。
$ sudo apt install docker-compose
Docker-Composeというのは、複数のコンテナの連携などを簡単に行うための仕組みです。Growi公式でDocker-Compose向けの設定ファイルを用意してくれているので、その仕組みに乗っかる方が楽でオススメです。
Growiの準備
Growi本体の準備です。まずはGitHubからGrowiのリポジトリをダウンロード。
続いて、必要に応じてGrowiの設定を変えておきます。デフォルトのままコンテナを立ち上げると、
- localhostからの接続しかできない
- ローカルのファイルシステムに対するファイルアップロードができない
などの制約があるので、これらを解除しておきます。編集するのはdocker-compose.ymlというファイルになります。
$ vi docker-compose.yml
接続ポートの変更
デフォルトのポート設定はlocalhost(127.0.0.1)の3000番になっているため、他PCからのアクセスが受け付けられません。そこで、localhostの指定を削除します。もしポート番号も変えたければ一緒に変えておきます。
ports:
- - 127.0.0.1:3000:3000 # localhost only by default
+ - 3000:3000 # localhost only by default
ファイルアップロード先をローカルにする
続いて、ファイルアップロードの設定です。デフォルトではAWS(S3準拠のサーバー)にアップロードするようになっていますが、イントラ環境だとローカルのファイルシステムに保存したくなります。ここは「FILE_UPLOAD=local」のコメントを外してあげればOK。
- # - FILE_UPLOAD=local # activate this line if you use local storage of server rather than AWS
+ - FILE_UPLOAD=local # activate this line if you use local storage of server rather than AWS
データをホスト環境に置くようにする
お試しで動かすだけならこの設定は不要ですが、実運用も考えるとデータの永続化も必要になります。デフォルトでは、データ置き場にDocker内のVolumeコンテナをマウントしていますが、これをホスト環境の場所に置き換えます。(これでよいのかな…?)
置き換えたいVolumeは、growi_data・mongo_configdb・mongo_db・es_dataの4つです。それぞれ適当な場所を指定してあげましょう。以下はGrowi本体のデータの例です。
- - growi_data:/data
+ - /home/corgi0901/workspace/growi/data/growi_data:/data
コンテナを立ち上げる
最後にコンテナを起動します。こちらもコマンド1つ叩くだけです。コンテナ技術の便利さにあらためて感動します。
Dockerのコンテナを確認し、以下の3つが立ち上がっていればOKです。
$ sudo docker ps CONTAINER ID IMAGE COMMAND CREATED STATUS PORTS NAMES cd262f1fc745 growi_app "/docker-entrypoint.…" About an hour ago Up About an hour 0.0.0.0:3000->3000/tcp growi_app_1 b767b89cb611 mongo:3.6 "docker-entrypoint.s…" About an hour ago Up About an hour 27017/tcp growi_mongo_1 88185a0e9991 growi_elasticsearch "/usr/local/bin/dock…" About an hour ago Up About an hour 9200/tcp, 9300/tcp growi_elasticsearch_1
あとはブラウザでサーバーの3000番ポートにアクセスし、Growiのトップ画面が出てくればOKです。(以下のキャプチャは初期設定を済ませた後のものです)
これで無事にお試し環境を立ち上げることができました。少し触ってみた感じでは、Wikiとしての完成度はとても高いように感じます。これなら本運用しても良いかも(・∀・)
直に立ち上げるとなかなかに面倒でも、Dockerを使うと簡単に立ち上げることができるので、興味のある方は試してみてはいかがでしょうか。
ではでは